カムイチェプ “神の魚” 鮭とともに生きる「北海道標津町」


標津町(しべつちょう)とは?

北海道の地名を見て、どうやって読んだらいいのか迷ってしまったことはありませんか?北海道は難読地名が多いことでもよく知られているので、読めないのも無理はありません。というのも、北海道の地名の8割がアイヌ語の地名の「音」に漢字を当てはめたものだと言われているからです。

 

今回ご紹介する標津町もアイヌ語に由来する地名を持つ町の一つ。「大きな川」を意味する「シ・ぺッ」に由来するという説や、「たくさんのサケ」という意味の「シベヲツ」から来ているという説があります。

 

そんな標津町があるのは、日本の最東端。北海道の根室海峡沿岸部の中心に位置し、アイヌ語でカムイチェプ(神の魚)とも呼ばれる鮭が生まれ育った川へ帰るための標(しるし)となった港町です。自然の豊かさを享受しつつ、自然と調和する暮らしを途絶えさせることなく紡いできた生き方が、今も人々の中に根付いています。手付かずの自然が標津の最大の魅力です。

 

標津町へのアクセス

最寄りの空港は根室中標津(ねむろなかしべつ)空港。町から西南西に20kmほどの距離にあり、空港から標津町までは自動車、バスまたはタクシーで約20分です。標津町への所要時間は以下の通り。

 

飛行機
東京(羽田空港)~根室中標津空港:約100分
札幌(新千歳空港)~根室中標津空港:約50分

 

自動車
中標津町~標津町:約20分
釧路市~標津町:約120分
根室市~標津町:約95分
網走市~標津町:約120分

 

古くから標津町の食卓を支えてきた「鮭」

 

「シベヲツ(たくさんのサケ)」というアイヌ語の通り、標津町は日本有数の鮭の産地としても有名です。鮭の漁業はこの地域で古くから行われており、その歴史はなんと一万年以上前にもさかのぼるのだとか。

 

標津町には、日本最大の竪穴群「標津遺跡群」がありますが、日本の他の遺跡にはない特徴として、たくさんの鮭の骨が見つかっているのだそうです。標津町の人々が古くから鮭に親しんできたということがよく分かりますよね。

 

日本遺産としても認定された鮭との共生の物語

 

そんな鮭との関わりの歴史を語る物語は、日本遺産審査委員会の承認を得て、「日本遺産」にも認定されています。「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語る物語のこと。標津町では、鮭との共生の物語を地域振興に活かす取り組みが進められています。

 

標津町名物!鮭料理

 

 

標津町の鮭を使った料理として、最も有名なのが「ちゃんちゃん焼」です!こちらは北海道の郷土料理として全国的にも有名ですが、標津町のような漁師町では昔からよく食べられてきたのだそうです。

 

もやしやたまねぎ、にんじんなどの野菜と一緒に、鮭の切り身を蒸し焼きにしたものですが、鮭の産地として有名なだけに、標津町の鮭は格別!身が引き締まっていてとても美味しいとのことなので、標津町に行ったら是非食べてみてくださいね。

 

 

鮭を使った料理では、飯寿司(いずし)というものもあります。飯寿司とは、北海道や東北地方などで伝統的に食されてきた保存食。日本酒と米麹(こめこうじ)を混ぜ合わせたお米に、生鮭の切り身を混ぜ合わせ、その上に、キャベツや大根、ニンジン、ショウガなどの野菜を載せます。

 

それを笹の葉で包み、重石を置いて発酵させたら完成。こちらの料理はお正月料理としても有名で、毎年1月になると飯寿司コンクールが開催されるのだとか。きっと家庭ごとに味付けが少しずつ異なり、それぞれの良さがあるのでしょうね。一度食べてみたいものです。

 

国指定文化財を保有「ポー川史跡自然公園」

 

標津町を語る上で欠かせないのが、ポー川史跡自然公園です。この公園では、標津の自然環境が一体的に保存されており、開拓期よりはるか以前の北海道を肌で感じることができます。園内には、伊茶仁(いちゃに)カリカリウス遺跡と標津湿原という2つの国指定文化財があり、来園者に開放されています。

 

日本最大の竪穴住居跡「伊茶仁カリカリウス堅穴群」

 

 

標津遺跡群のなかで中心的な遺跡とされているのは、「伊茶仁カリカリウス遺跡」。標津湿原の奥の森の中に縄文から擦文(さつもん)の竪穴住居跡がくぼみとなって残っているのだそうです。その数は確認できるものだけでも2500戸ほどあり、標津で見つかった竪穴跡の半分以上がここに集中しているのだとか。

 

日本最大級の縄文集落として有名な青森県三内丸山遺跡で発見されている竪穴住居跡の数が約800戸と言われているので、伊茶仁カリカリウス遺跡の住居跡がいかに多いのかということがよく分かりますよね。

 

珍しい高山植物が自生「標津湿原」

 

 

標津湿原は、雨と露が主な水の供給源となっている高層湿原です。珍しい高山植物が見られるのが特徴で、毎年5月~7月になると氷河期の植物の生き残りとも言われる植物が花を咲かせるのだそうです。

 

 

そのなかでも特に珍しいのが、絶滅危惧種にも指定されているエゾゴゼンタチバナ。この花を見るためだけに標津まで足を運ぶ人もいるのだとか。

 

一面に広がる銀世界を満喫「スノーシュートレッキングツアー」

 

ポー川史跡自然公園で冬期間中行われているのが、スノーシュートレッキングツアーです。スノーシュートレッキングとはその名の通り雪靴で雪の上を歩くことですが、スキーやスノーボードと違って特別な技術は何も必要ないので、老若男女問わず気軽に楽しめる冬のアクテビティです。

 

スノーシュートレッキングの魅力は、なんといっても一面に広がる銀世界を堪能できること。降り積もったふかふかの雪を思う存分味わってみましょう。ポー川史跡自然公園では、様々な動物が生活しているため、運が良ければ、オコジョやクロテン、オジロワシに出会えるかも。

 

・料金:1名4,500円
・時間:2時間程度
・期間:~3月ごろまで※2日前までの要予約
・用意していただくもの:防寒着上下、手袋、スノーブーツや長靴(靴下の重ね履きやカイロ、サングラスなどあると良い)

 

▼お問い合わせ・お申込みはこちら
https://www.visitshibetsu.com/contact.html

 

担当者からのメッセージ

標津町は、豊かな自然や、日本の食卓を支える産業、一万年も前から続いてきた人々の歴史があり、北海道の隠れた穴場です。コロナ対策もしっかり行っているので、是非お越しください。

DATA

標津町(しべつちょう)

 

▼知床の体験・教育観光|標津町観光協会
https://www.visitshibetsu.com/

 

 

協力:標津町役場
https://www.shibetsutown.jp/

 

 

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