もう一つの京都【お茶の京都】


 

 

今回は、京都府南部の山城エリアの観光地域づくりに取り組む「一般社団法人 京都山城地域振興社」、通称「お茶の京都DMO」の村田さんにお話を伺いました。

 

「お茶の京都」とは?

 

 

 

800年の歴史を持つお茶どころ、京都府南部、山城エリア。

 

「抹茶(まっちゃ)」「煎茶(せんちゃ)」「玉露(ぎょくろ)」を生み出したこの地には、磨かれた茶文化や茶畑の眩い景色が今も息づいています。

 

2015年には宇治茶の歴史と文化、美しい茶畑の景観を通じたストーリーが「日本茶800年の歴史散歩」として認定され、さらに、宇治茶の世界遺産登録に向けた取り組みも行われています。

 

そんな宇治茶によって紡がれた京都府南部山城エリアを私たちは「お茶の京都」と名付け、日本のみならず、世界に発信していくこととしました。

 

 

 

 

「お茶の京都DMO」について

 

「お茶の京都DMO」は、京都府と山城エリアの12市町村によって構成される地域連携DMOです。

 

お茶の京都地域(宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、久御山町、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町及び南山城村)の連携とネットワークの強化を図り、観光を入り口とした持続可能な地域づくりの推進による関係人口の創出・拡大や、移住・定住促進及び地域商社として地域資源のブランド化を図り、お茶の京都地域全体の振興を図ることを目的としています。

 

 

 

 

「お茶の京都」エリアの観光事情

 

お茶の京都エリアは、京都市内や大阪市内から30分~1時間程度の距離に位置し、日帰り観光が可能ということもあり、宿泊施設が少ない状況です。

そのため、域内での滞在時間が短く、1 人当たりの観光消費額は京都市の約10分の1にとどまっています。

 

また、訪問客の約4割が、世界遺産平等院や抹茶スイーツなどで知られる「宇治市」に集中しています。

 

 

 

 

そこで、お茶の京都DMOでは、宇治で食べた抹茶スイーツに使われている「宇治茶」を、その生産地である周辺市町村と結びつけることにより、宇治市だけではなく、お茶の京都エリア内を周遊してもらえるように、観光コンテンツの磨き上げや、プロモーション、受け入れ環境の整備などを行っています。

 

 

 

 

コロナ禍の取り組みについて

 

現在、新型コロナウイルスの影響で観光客自体は少なくなっていますが、Afterコロナに向けたコンテンツの造成やプロモーション、Withコロナ期だからこその取り組みを行っています。

ナイトコンテンツの造成

 

先ほど述べた通り、お茶の京都エリアには宿泊施設が少ないため、京都市内や大阪市内に宿泊されている方をターゲットに観光消費額拡大のため、「夜の寺社」を楽しめるナイトコンテンツ作りを行っています。

 

今年3月には、緊急事態宣言明けに2つのイベントを実施しました。

今回はコロナ禍ということもあり、近隣住民向けの開催となりましたが、今後はインバウンドもターゲットにいれたコンテンツとして確立していきたいと考えています。

 

 

<萬福寺ランタン>

 

 

 

萬福寺(まんぷくじ)は、黄檗宗(おうばくしゅう)の大本山です。

煎茶道の開祖であり、インゲン豆を日本に伝えたことでも知られる隠元禅師によって、1661年に創建されました。

 

京都府ナイトツーリズム促進事業として、3月19日~21日の3日間、ナイトイベントを実施。

中国風の禅寺をランタンでライトアップし、ステージでは、龍舞や創作講談、変面ショー、揚琴、二胡の演奏などを行いました。

 

 

 

 

 

<国宝・石清水八幡宮~祈りのともしび 和の心~>

 

 

 

国宝・石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は、教科書等ででてくるため、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、日本三大八幡宮のひとつです。

 

観光庁が推進する「新しいツーリズム」事業の一環として、3月12日~14日の3日間、ナイトイベントを実施。

石清水八幡宮社殿や鎮守の森などをライトアップし、荘厳で美しい夜の社殿を演出しました。また、巫女さんによる舞の披露や、アート作品「祈りのオブジェ」を展示しました。

 

 

動画コンテンツの制作

 

YouTubeチャンネルでの動画コンテンツの充実にも力を入れています。

 

例えば、昨年5月にスタートした「心の探訪」シリーズは、お茶の京都エリアにある寺社の住職さんや神主さんから、コロナ禍で気持ちが不安になられている方が安心できるようなメッセージをいただき、同時に寺社の紹介も行うというような動画企画です。

 

 

 

 

現在は、地域の食についての動画シリーズや、地元で著名なアナウンサー出演のエリア案内動画などを企画・制作しております。

 

 

▼お茶の京都YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UC6rj9P6GqctRmQY5TK0MZpg

茶農家への支援とお茶のPR

 

緊急事態宣言などの影響で、料亭でお茶を出す機会が減ったこともあり、とくに高級茶葉の需要が減っています。

そこで、宇治茶の茶業関係者が煎茶と抹茶を買い取り、ティーバッグに加工し、観光系のイベント等で配布するなど、茶農家への支援を行っています。

 

 

 

 

また、山城広域振興局では「お茶する生活」の普及のために平成27年度から開催している「宇治茶ムリエ講座」を、今年度はオンラインで開催しています。

宇治茶の歴史や生産の基礎と、玉露の美味しい淹れ方を約1時間で学べる無料の講座です。

ぜひ、皆さまもご参加ください。

 

 

▼「宇治茶ムリエ講座」詳細(山城広域振興局)

https://www.pref.kyoto.jp/yamashiro/ocha/news/online_ujichamlier2020.html

 

村田さんからのメッセージ

 

 

お茶の京都エリア全体を見ると、平等院周辺以外は、いわゆる“京都”という言葉からイメージされるお土産屋や旅館が立ち並ぶ観光地ではありません。

 

しかしながら、エリア内にある木津川市では国宝数が京都市に次ぐ全国2位など、京都と奈良の間の好立地ということもあり、歴史上の著名な方ゆかりの寺社や別宅などが点在しています。

 

また、茶畑や田園風景などの豊かな自然も楽しむことができ、あまり混雑しないため、コロナ禍の旅先としても安心です。

 

 

 

 

個人的におすすめするのは、自転車を利用した茶畑周辺の散策です。

 

自転車であれば、車では入りづらい茶畑の近くまで行くことができますし、風に乗ってお茶のいい香りがするため、とてもリフレッシュできます。

 

少し休憩したいと思ったら、ちょうどいい場所にお寺などが点在しているので、ぜひ立ち寄ってみていただければと思います。

 

 

 

 

お越しいただくことが難しいという方は、宇治茶をご家庭でも試してみてはいかがでしょうか?

 

実は、私自身もお茶の京都DMOに来てから、お茶にハマってしまい、今では毎日朝晩、抹茶をたてて飲んでいます。

おすすめは玉露です。玉露は時間がかかるので正直手間ですが、茶葉の量とお湯の温度に気をつけて丁寧にいれると本当に美味しく、コロナ禍だからこそ家でゆっくり過ごす時間を楽しんでいます。

 

また「宇治茶ムリエ講座」で紹介された、玉露を淹れた後の茶葉にポン酢をかける「食べるお茶」にはカルチャーショックを受けました!

とても美味しいので、ぜひ試してみてください。

DATA

一般社団法人 京都山城地域振興社(きょうとやましろちいきしんこうしゃ)

京都府宇治市宇治乙方7-13 京阪宇治駅ビル1F

 

▼お茶の京都WEBサイト(5月28日リニューアル)

https://ochanokyoto.jp/

 

 

 

 

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