豊かな自然と暮らしを活かした観光地域づくり【にし阿波・そらの郷】


 

 

今回は、徳島県の「にし阿波」エリア4市町の地域連携DMOである「一般社団法人そらの郷」の坂本事務局長にお話を伺いました。

 

「にし阿波(あわ)」エリアとは?

 

 

 

「にし阿波~剣山・吉野川観光圏」とは、徳島県美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町の2市2町で構成され、観光立国を目指す日本の「顔」となるべく、国から認定を受けた全国13か所の「観光圏」の1エリアです。

 

 

 

 

圏域を貫くように吉野川が流れ、西日本で2番目の高さを誇る剣山(つるぎさん)をはじめとした1,800mを越える高い山々に囲まれた、美しく雄大な自然環境を有する地域です。

また、吉野川の上流の景勝地である「大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)」「祖谷(いや)のかずら橋」などの観光資源にも恵まれています。

 

 

 

 

エリアのブランドコンセプトである「千年のかくれんぼ ~分け入るごとに、時は遡り〜」の通り、にし阿波の山間部にある集落は、険しい山々の中腹に形成されており、訪れた時に「秘境」を感じるその景観は、桃源郷とも称される日本の原風景です。

 

そびえたつ山々が悠久の時を閉じ込めたかのように、集落で暮らす人々の生活には、美しい自然と共生する伝統的で素朴な暮らしが今なお息づいています。

 

 

 

 

また、この地域には世界的にも珍しい「傾斜地農耕」という技術が受け継がれています。

平坦な段々畑を作ることなく斜面のままで農業が営まれ、ススキを積み重ねた「コエグロ」がのどかな景観を作りだしています。

 

古くから培われてきた植物資源を循環させる農業や、自然と共生する暮らしが評価され、2018年3月には「世界農業遺産」に「にし阿波の傾斜地農耕システム」として認定されました。

 

 

 

 

「そらの郷」とは?

 

 

その昔、徳島県の都市部に住む人々は、標高の高いにし阿波エリアのことを「そら」と呼んでいたことが「そらの郷」の由来です。

 

このエリアでの観光地域づくりは、2000年に大歩危・祖谷地域の5軒のホテル・旅館により結成された「大歩危・祖谷いってみる会」による行政と連携した、地域全体を売り込む活動がはじまりです。

また、従来から行われていた体験型教育旅行の受け入れ組織として、「そらの郷 山里物語協議会」が2007年に設立されました。

 

その後、観光圏整備法に基づく「にし阿波~剣山・吉野川観光圏」への認定に伴い、「そらの郷 山里物語協議会」を母体として「一般社団法人 そらの郷」が2011年に設立されました。

 

2017年11月には地域連携DMOとしても登録。

世界に通用する観光地域づくりを目指して、観光地域づくりの戦略作成やマネジメント、旅行商品の開発販売や国内外からの誘客活動などを担っています。

 

 

旅行商品の開発販売の取り組み

 

にし阿波地域には旅行会社がほとんどないため、ランドオペレーターとして、旅行業第二種を取得し、着地型旅行商品の造成や、現地ガイドの手配なども展開しています。

 

ここで、エリアで人気のあるプランをご紹介します。

 

 

 

 

ひとつ目は「祖谷1日ガイドツアー(ガイド付きタクシープラン)」。祖谷在住のドライバー、ガイドが地元を案内するガイドツアーです。かずら橋などの観光名所を訪れる他、集落の散策や、希望があれば山歩きなども行います。訪れただけでは知ることのできない祖谷の伝説から、現在の暮らしの様子まで、住民目線で案内します。

 

 

 

 

イギリス製の折り畳み自転車ブロンプトンでガイドとともに町を巡る「ブロンプトンポタリング」も人気です。折り畳み自転車を利用するため、長距離の移動は車や公共交通機関に載せることができ、体力に自信がない方でも参加できる自転車ツアーとなっています。

 

 

 

 

最近若い方に人気があるのは「ラフティング」。吉野川は、激流度合と景色の美しさ、水の綺麗さから世界有数のラフティング・カヤックの適地ともいわれています。3mを超える大波と2mの落ち込みなど、迫力、スリル満点です。

 

 

▼その他の体験コンテンツはこちら

https://nishi-awa.jp/contents/

 

 

教育旅行の取り組み

 

 

教育民泊25年の歴史があるこのエリアには、179軒の民泊受け入れ施設があり、同時受入れ人数は最大600人を誇ります。

 

そらの郷の民泊家庭は、その多くが山腹の急傾斜地に、張り付くように形成される集落に存在し、特有の文化的景観を形成しています。

生徒たちは家族の一員として迎えられ、茶摘みやタマネギ、ジャガイモ、雑穀の収穫など、少量多品種のミニマルでエシカルな自給的農業を協働します。

収穫した旬の野菜や山菜を使って田舎料理を共同調理。そして家族団欒の食事で心の交流。

“日本一”の厳しさを豊かさに変える、サスティナブルな暮らしを学びます。

 

 

 

 

近年は、ESD(Education for Sustainable Development)教育旅行として、持続可能な社会の創り手となる若者の育成を目指して、上記の体験と併せて、地元高校生、コミュニティ、企業と共に、地域課題についてのディスカッションなどを取り入れたSDGsプログラムの提供も行っています。

 

 

▼にし阿波体験型教育旅行「そらの郷山里物語」

https://nishi-awa.jp/soranosato/

 

 

インバウンド誘客の取り組み

 

 

地域で連携したプロモーションの効果もあり、にし阿波エリアの外国人宿泊者数は、2007年の952人から、2019年には3万1828人に急拡大。なんと12年で33倍です。

 

メインターゲットは「香港」。

祖谷地域は、大きな宿泊施設が無いため団体の受け入れが難しく、車の運転ができないと移動が厳しい地域です。そこで、日本と同じ右ハンドルでレンタカーの旅に慣れており、個人旅行客の多い、香港人の方をメインターゲットとしています。また、香港は大都会のため、にし阿波のような自然いっぱいの地域に心が癒されるようです。

 

2019年の国別の外国人宿泊者数は、香港、台湾、中国、アメリカ、フランスの順となっており、今後も東アジアと欧米豪をターゲットにプロモーションを行っていく予定です。

 

 

▼インバウンドの取り組みをより詳しく紹介

地域を「温泉」で束ね、いち早くインバウンドに着手。11年で33倍の訪日客が訪れる徳島県大歩危・祖谷地域の取り組みとは?(やまとごころ.jp)

 

 

コロナ禍での取り組み

 

現在は、コロナ禍でインバウンド関連の動きが制限されていることもあり、プロモーションよりも受け入れ環境整備や、体験コンテンツの見直し・高付加価値化に取り組んでいます。

 

前述の通り、このエリアは公共交通機関が少なく、車が無いと移動するのが難しいのが大きな課題となっています。

その「二次交通」問題を解決するために、観光庁の「既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業」を活用した、3路線でのバスの実証運行を今月から開始しました。

 

 

 

 

香川県の高松空港と徳島県西部のにし阿波観光圏を結ぶ実証バス運行を、2021年9月1日~11月30日の期間限定で無料運行しています。

 

 

①ASANスーパーエコー

にし阿波の主要スポットと、香川県の高松空港・道の駅たからだの里さいたを結ぶループバス。

東回り:https://yonkoh.co.jp/asan-e

西回り:https://yonkoh.co.jp/asan-w

 

②Mt.Tsurugi 開運アクセスバス YAHOO!

高松空港から見ノ越(剣山登山口 / リフトのりば)を経由し、祖谷・大歩危・阿波池田へ向かうバス。

https://yonkoh.co.jp/yahho

 

③高松空港直行バス

つるぎ町が運行する、剣山登山バスと接続し、高松空港へ向かう、高松空港直行バス。

https://yonkoh.co.jp/ap

 

 

▼詳細はこちら

https://yonkoh.co.jp/kizon

 

 

坂本事務局長からのメッセージ

にし阿波~剣山・吉野川観光圏は、山や渓谷の豊かな自然の中にあり、秋は紅葉が剣山(標高1,955m)から始まり祖谷渓谷や大歩危峡へと徐々に下に広がって行きますので、長い期間エリアのどこかで美しい紅葉が見られます。
紅葉の時期の9月~11月末まで、高松空港から剣山やにし阿波へのアクセスバスの実証運行が行われています。
雄大な自然とともに人々が暮らしてきた地域の魅力を、是非体感をしに訪れてください。

DATA

一般社団法人そらの郷(そらのさと)

徳島県三好市池田町シマ995-1

 

▼にし阿波~剣山・吉野川観光圏
https://nishi-awa.jp/

 

▼にし阿波体験型教育旅行「そらの郷山里物語」
https://nishi-awa.jp/soranosato/

 

▼食と農の景勝地「にし阿波 桃源郷」
https://nishi-awa.jp/shokutonou/

 

 

 

 

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